(今回は図解はありません)
ちょっと気になる記事がありました。
敷礼なし物件が普及する中、かつてのように工事費用を入居者に転嫁することも難しくなっている。それなら、多少家賃を下げてでも今の借主に継続して住んでもらったほうが得と考える大家が増えているというわけである。
この記事を書いていらっしゃるライターの方はこんな本も書いているようで、若干「ご自身の本を売りたいための記事かなあ」と思わなくもないです。
が、記事に引用されているような空室率の数字などは本当で、供給過剰の側面は否定は出来ません。賃貸物件オーナーの競争は激しくなっているのだと思います。
じゃあ、これからの供給過剰で家賃が下落していく時代に、どう対応して行ったらいいでしょうか。
1. 建てる前・買う前に立地をしっかりと吟味する
住む人にとって、ほんとうに便利な場所であれば、引っ越しは考えないもの。住人の方は「引っ越し」をちらつかせて交渉をするわけで、それに引きずられないようにするには、そもそもいい立地だから、いつでも他に入りたい人がいる、というのは安心して経営が出来ます。
立地というのは、必ずしも、駅近というだけではないです。車社会なら駐車場が1戸あたり2台ある、とか、ファミリー向けなら子供が遊べる公園が近い、とか、住む人にとっての理由はいろいろあるはずです。
2. 入居者の属性をしっかりチェックする
入居するときに、なにか厄介な条件をつけそうな人であったり、引っ越しの理由がどうもハッキリしなかったりと、怪しい人は最初からお断りすべきでしょう。入居も相性です。最初から「この人は長く住んでくれそうだ」と、思える人に選んでいただけるように、いろいろ工夫をしたいです。
3. 物件のクオリティを高いレベルで保つ
運営にあたって、共用部を清潔に保ったり、防犯に気遣ったり、小さなトラブルも早めに対応したり、と、住む方になるべくストレスのかからないように心がけるべきかと思います。住む人にとっては、住宅は「何もない」のが当たり前なので。ここは管理会社さんとの連携が重要なところですね。満室だからといって、その辺適当にしていてはダメだ、と改めて思いました。
4. 定期借家に切り替えをお願いする
そうはいっても、要求が激しい方というのはいらっしゃると思います。今後、なるべくフラットに交渉ができるように、「家賃を下げる代わりに、定期借家契約に切り替えていただけませんか」とお願いするのはありかと思います。賃貸借契約の家賃を変更するのではなく、いったん、合意解除して、1年未満の定期借家契約に切り替えをお願いします。また、自動更新は盛り込みません。
定期借家期間が終わると、住人の方は必ず出ていかなければなりません。オーナーにとっては、定期借家契約に結び直す際の手数料や、一定期間後に必ず終了になってしまう、というデメリットはあるのですが、更新のたびに、必要以上に交渉が発生することを避ける事が出来ます。
と、オーナーとして出来そうなことを、4つぐらい考えてみました。
最後の定期借家ですが、住人の方にとっては、家賃の値下げで得られるメリットと、引っ越しの費用を天秤に掛けて判断することになるでしょう。でも、ハードな交渉をする、というのはそういうことだ、という認識をしていただけるのではないかと思います。この記事のライターの方は、「言ってみるもんだ」と推奨されていますが、過度な要求はかえって自分にも責任が発生することにも注意をしてほしいものだと思います。
僕自身は、一番大事なのは3だと思っています。これからもまだまだ勉強して、入居者の方のためにも、自分自身のためにも安定した経営を目指します。