昨日、日大アメリカンフットボール部が関学大との試合において起こしてしまった事件について、危機管理の教材として、どこがポイントで、何をすべきだったか?をまとめ、多くの反響をいただきました。
そして、昨日の夜、日大側の記者会見があるというので、見てみたのですが、これが中々酷い内容でした。僕が前の記事で、「次に日大が出すべきメッセージはこれだ」と書いた内容はどれ一つとして守られておらず、火に油を注ぐだけじゃとても足りない状況になっています。
もはや、何をやっても無駄で、危機管理の教材にすらならないのですが、なんであんなひどい会見になったのか、分解してみたいと思います。フローチャートにする必要もないのですが、昨日とフォーマットをあわせて書いてみます。
なお、この記事は5月23日夜時点に書いていますので、「明日」というのは5月24日のことです。
以上が、会見の顛末です。
関学側は一貫して「誠意ある回答」を求めてきました。今日の会見は、関学側が求める回答とは真逆の方向だったと思います。
会見中、内田氏は何度か「信じて頂けないと思いますが」と言いましたが、世間やマスコミを納得させる必要はまったくありません。記者会見をする必要もありません。ただ、被害にあった選手と関学側に対して、納得のいく説明をすれば、それでいいのです。
平成27年度、政府は私学助成金を95億円、日本大学に支払いました。これは私学で最高額だそうです。それが、平成28年、理事長の不祥事によって8億円減らされ、今年度はさらに、入学定員超過の罰により、さらに6億円減らされたそうです。助成金の財源はもちろん税金です。(https://facta.co.jp/article/201805040.html)
この上、大学日本一に輝いた名門部活動でこんな対応をしていては、助成金をさらに減らされる可能性があります。コーチの辞職はもちろん、内田氏の理事辞任ではとうてい済まない問題になっているのです。
日大側があくまで非を認めないのは自由です。本当に、「怪我をさせよう」なんていうことは全く思っていなかったのかもしれません。しかし、その主張を続ける限り、関学側の理解を得られることは無いでしょう。なんといっても、あのビデオを見ても「選手が心配になった」の一言が出てこないのです。誠意ある回答とは程遠いです。
問題がさらに長引けば、助成金を返上する事態に発展する可能性も。日大は、非を認めない代わりに、想定以上の高い代償を支払われることになるかもしれません。