めちゃくちゃ仕事ができて尊敬できる友人が起業したというので、話を聞いてみたら、「自動でミーティングの日程調整をするWEBツールです」と。いや、なんでミーティングの日程設定?優秀なんだからもうちょっとなにか社会に大きなインパクトを与えることやってよ!と思ったのですが、よく聞いてみると、めちゃくちゃ生産性を改善できるんだというのがわかったので、まとめます。
日程調整ツールとはなにか?
アポイントを調整するときには通常、こんな感じでのやりとりが行われます。
この流れをスムーズにするためのツールがこの記事で取り上げる「日程調整ツール」です。特に、3の「確認」のところが自動化されるのがポイントです。グループで飲み会の日程を調整するような「調整さん」のようなサービスではなく、もうちょっと少人数の商談の日程調整などをイメージしてもらればと思います。
実際の画面で見てみましょう。Spir(スピア)という日程調整ツールの画面で説明します。
ログインすると、自分のカレンダーが表示されます。(予めアカウントを同期しています。)
自分のカレンダーの中で空いている時間を選択します。クリックorドラッグで簡単に選択できます。
会議の場所として、リアルな住所を入力すると地図へのリンクが生成されます。また、オンライン(Google or Zoom)を選択すると、会議URLが自動で生成されます。
選択が終わるとURLが生成されるので、それを相手に送ります。送る方法は、メールやメッセンジャー、チャットなど、従来相手とやり取りをしている方法で送ります。
相手が確定するまでの間、自分のカレンダー上では「調整中」という形でブロックされています。
相手がURLを開くとこんな感じの画面になります。候補日程以外の自分の日程は当然ですが見えません。そして、この日程候補の中で都合のいい日程を選択することで、アポイントが確定します。
相手が確定した時点で、自分にお知らせのメールが届き、また、カレンダー上でも調整中のものがすべてなくなって、確定した日程だけになります。
こんな感じのツールが日程調整ツールです。
サービスによって画面の構成や使い勝手は多少異なりますが、機能としてはこんな感じのものです。
日程調整ツールの利用の流れ
通常の日程調整の流れをフローチャートで整理するとこんな感じになります。
通常のメールなどでやり取りする日程調整は、細かく分解するとこんな感じになります。
最近では、これにZoomのURLを発行する、などの作業も追加で発生します。
いずれにしてもこの流れの中で相手のアクションが行われるまで自分のアクションをすることができず、互いにスケジュールを確定できない時間が続く、ということになります。
日程調整ツールを使うことで、後半部分を自動化することができます。
この赤矢印のところが自動化されるところです。
実際に使ってみてわかることは、日程を調整する作業については、「URL終わったらあとは終わり」という感じです。相手の返事は勝手にカレンダーに入っているので、メールやメッセンジャーを確認する必要はありません。
人間のやることは「ミーティングの日程をどこにしようかな」という意思決定のみです。
また、同時に相手方の手間をも減らせています。相手方は来た中から選択するだけOK。そのことをわざわざメールに書いて送ったり、相手からの確認メールを待ったりする必要はありません。
日程調整ツールの比較
日程調整ツールには様々なものがあります。
ー Spir
https://www.spirinc.com/
今回、僕がβテストしたものです。気に入ったので、いまの日程調整はほぼ全てこれで行っています。
ー bisket
https://biskett.me/
かなり以前からあるツールです。
ー アイテマス
https://aitemasu.me/
WEB版だけではなく、スマホアプリもあってしかも無料です。
ー Timex
https://timerex.net/
Googleだけではなく、Outlookにも対応しています。複数人のスケジュール調整だけではなく、会議室の予約連動もしています。「調整さん」を作っている会社さんがプロデュースされています。
ー eeaxy
https://eeasy.jp/
Timexと同様の機能があります。三社間以上の調整や会議室予約もできて機能が充実しています。人材系の会社さんなどは特に便利そうですね。
ー Dr.Works
Google、Outlookの両方に対応しています。「Web会議特化型」をうたっており、ツールも「Zoom」「Meet」「Whereby」などに対応。
気になること
実際に使うときに気になったことを挙げてみます。
・目上の人にこちらからスケジュールをお送りするのは失礼ではないか?
相手によると思います。
「先に相手のご都合をお伺いしてから」というのはビジネスの常識のような気もします。
ただ、実際には最近は逆のことを聞きます。
最近もとある著名ベンチャー投資家から下記のようなことを聞きました。
「ベンチャー投資家は時間がない。メールもチャットもメッセンジャーも全部スマホで見ている。こちらに日程を決めろと言われると、メッセンジャー閉じて、カレンダー開いて、仮押さえして、日程を送る文案を作って送る、という作業をこちらがしなければならない。パッと見てぱっと返せる形で送ってもらうほうがよっぽどありがたい。」
たしかに、相手の時間を奪うのは尊大だなと思うようになりました。
なので、僕は最近は目上とか関係性にとらわれず、まず調整のURLを送りつけるようにしています。いまのところそれで嫌味言われたりしたことは特に有りません。
・3者以上の調整とか、「こちらが先に決まってからこれを決める」という調整はできないのでは?
3者以上の調整についてはできるツールがほとんどです。
実際に、2者間に比べて3者以上間の調整のほうが圧倒的に大変なので、ツールに頼ったほうが絶対にいいです。会議室を自動で抑えられるツールもあります。
問題になるのは、「この予定が決まってから、次のこの予定を入れる」みたいなパズルみたいな日程調整をしている方です。偉い方には特に多い状況で、専属の秘書さんが調整されていることが多いと思います。
秘書さんの生産性を上げるためにある程度使うことはできると思いますが、政治的な思惑も絡むような本当に微妙な調整については、そこまで対応はできないと思います。それはいままでどおりやってもらうしかないです。
日程調整ツールが変えること
とにかく、作業の手間が減ります。
DXといいますが、スケジュール管理を紙の手帳からデジタルの手帳にしただけで、日程調整のやりとりが今まで通りのやり方のままでは生産性は変わりません。
デジタルツールを使って、うまくスケジュールを共有し「互いの作業の手間を最小限に減らすこと」こそがDXだと思います。
日程調整ツールのポイントは「相手の手間も減らせる」というところにあります。
たくさんの人が使えば、その相手方も含めて、より多くの人の生産性が直接的に上がります。
これによって、必要なミーティングがより能動的に行われるような(そして不要なミーティングにできるだけ労力を使わないような)世の中になっていくといいなと思います。
いまはいろんなツールがありますが、いずれGoogleなどのカレンダーもオフィシャルの機能としてサポートしそうな気もしますね。
(追記)Outlookはアドインとして実装していました!
Q: Office 365 を使用していない人に出席依頼を送信することはできますか?
A: はい。FindTime の出席依頼は、メール アドレスを持つ人であれば誰にでも送信できます。Office 365 に存在することが必要なのは開催者だけです。
普段Outlookを使っている方はこれがいいかもですね。