携帯電話を買い換えるシーズンといえば、以前は3月と相場が決まっていました。新入学・就職をきっかけに買い、その後の2年縛りから、同じシーズンに買い換えることになるからです。
それが、最近は9月になってきています。理由はiPhone。いま、国内の販売シェアは、スマホが86%、フィーチャーフォンが14%(2015年BCNランキング)。そして、スマホのうち、69.1%がiPhoneです。(2015年9月—11月カンター・ジャパン)ということは、単純に計算して、86%*69.1%=59.4%。日本で販売される携帯電話の5台に3台がiPhoneという事になります。
Appleはここしばらく、9月に新機種を出しており、新しい機種が出ると、それに買い換える人や、型落ちモデルを安く買いたい人はこのシーズンに買い替えます。以前は厳しかった2年縛りも各キャリアの「のりかえ割引」で、かなり緩和されるようになってきました。
「ギガモンスター」は本当にモンスターなのか
この新たな買い替えシーズンに合わせて、各社が新しい料金プランを出してきました。中でも「ギガモンスター」がすごい、と一部のブロガーの方が書いていたので、本当にスゴイのかどうか検証しました。確かにすごかったです。ただし、悪い方で。
ギガモンスターでは、通話放題なうえに、20GBのデータ容量がたったの6,000円で、さらにテザリングオプションの無料キャンペーンがある、というのが「スゴイ」という理由です。
2年間の支払総額は、251,640円となります。モンスターにふさわしい金額ですね。。。
同じプランをMNVOでやるといくらになるか
MVNOにもいろいろありますが、インターネット接続の通信品質を考えて、U-Mobile Premiumで比較したいと思います(このプランのインターネット接続はIIJ)。
2年間の支払総額は108,600円になります。Softbankさんの料金との差額は2年間で143,040円にもなります。うーん。モンスター強し。
ただし、Softbankさんは、端末購入者に対しては料金を割り引く月々割サービスをやっています。iPhone7(128GB)を購入した場合、分割支払金は4,160円。月月割が3,230円なので、自己負担は(4,160-3,230)×24ヶ月=11,160円です。
一方、U-mobileはそれがないので、端末は自分で買ってくる必要があります。iPhone7(128GB)の定価は90,504円です。 従って、端末代金も含めた2年間の支払総額を比較すると、こうなります。
2年間の合計なので、月々にすると、約2,700円ほどU-mobileのほうがお得、という計算になります。ちなみに家のインターネットをソフトバンクの光にして、電気もソフトバンクにすると、合計1,822円割引になります。(ただし、最初の2年間のみ)さらに、iPhone6からの乗換なら下取り割が900円(最大2年間)というのがあります。これらを駆使すると、ソフトバンクとU-mobileはほぼ同じ値段、ということになります。一つのキャリアにそこまで縛られてみます?しかも2年後には割引がなくなりますので、また、そこでいろいろ考える必要が出てきます。
なお、U-mobile をはじめとする殆どのMNVOは「通話し放題」プランを持っておらず、通話料はほぼ一律の20円/30秒(税別)です。音声通話料金については、NTTドコモさんが音声ARPUを公開しており、それが月額1,210円でしたので、上の表ではこちらを使っています。
無線LANルーターは無くなるか?
キャリアがデータ料金を安くすることで、無線LANルーターが不要になる、という説があります。これは別に否定しません。スマートフォンと無線LANルーターの両方を充電するのは面倒ですし、どうせ持ち歩くなら、スマートフォンと予備バッテリーだけのほうがシンプルで済みます。
いま、スマートフォンの契約は大手キャリアで、無線LANルータはMNVOのSIMを利用しているという人がいたとします。これで、大手キャリアのほうが、プラス2,160円でデータ容量を5GBから20GBにすることができるのであれば、その人はMVNOを解約して無線LANルーターは廃止する、というのは一理あります。図のPLAN Aです。
しかし、逆に、大手キャリアを解約したら、通話料込みでも月額5,000円そこそこで済むことになります。それがPLAN Bです。
PLAN Aは、端末代を大きく割り引いてもらう代わりに月額費用を多く払っているだけだ、ということがよくわかります。自分の端末代金の割引原資を出してるのは、結局自分自身なんですよね。。。
無線LANルーターの需要は落ちると思われますが、それ以外にも減るものがあるんじゃないかな?というのが僕の推論です。
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