脱毛サロンの『ミュゼプラチナム』を運営する株式会社ジンコーポレーションさんの経営がいよいよ怪しい、ということで話題になっています。記事の中でいろいろわかってきた数字があるので、真の売上を推定してみました。あくまで僕の想像です。
- 広告費は月10億
- その年に売れたチケットは、未使用でも全てその年の売上に
- その結果、会員の未使用チケットは簿外債務となり、現在5百数十億
- 黒字出してるし役員報酬も高い
- 子会社をいっぱい作っている
- 予約は取りづらい。(3−4ヶ月先がザラ)
- 通常の施術は16万円全8回、など。全部終わるには2年以上かかる計算。
- 脱毛チケットの払い戻し期限は最後の施術から2年間
売上と利益はどのぐらいあるのか?
まず、帝国データバンクさんなどから参照した売上・利益データです。8月決算なので平成27年はまだわかりません。これより伸びてるかもしれないし、短いかもしれない。
損益分岐点を推定してみる
上記の売上・利益と、記事などで書かれている数字を元に、損益分岐点を計算します。変動費率を知る必要があるのですが、実際のところ、費用の大きなところは賃料・人件費のはず。それは拠点が増えればほぼ自動的に決まる固定費。あとは、銀行への利払いや、機器の減価償却などもあると思いますが、これも固定費。変動費率は甘めに見て25%と想定。
なんと、甘めに見ても損益分岐点は350億円。結構高いですね。広告費を削減すれば、その分下がりますが、『その年売れたチケットは、未使用でも全てその年の売上に』という恐ろしい会計方針のせいで、広告費を掛けて新規会員を募集し続けなければ、売上がゼロになってしまいます。(なので、広告費は本来変動費ですが便宜上固定費に入れてます。)
ミュゼプラチナムの真の売上
予約が毎回3−4ヶ月先ということは、4回以上のチケットなら消費に12-16ヶ月以上かかりますから、売れた初年度はほぼ必ず未使用チケットが残るのですね。(売れ線は6-8回のもののようです。)
この会社の「真の売上」を知るには、買った年度がいつにせよ、今年使った分だけが、真の売上となるはずです。図にするとこんな感じ。
未使用分の合計が5百数十億。H.25、H.26の売上は300億円台ですから、真の売上は、公表されている売上のざっくり6割ぐらいではないでしょうか。200億円/年ぐらい。
仮に真の売上が200億だとしたら、損益分岐の350億にはどうしたって届きません。つまり、真っ赤っ赤の会社、ということになるのですね。なんでこんなになるまでほっといたのでしょうか。
とにかくバカバカしい
未使用チケットは最後の施術から2年以内だと解約返金出来る、ということなので、会社にとっては負債です。なのにこの会社は売上にあげちゃってるんですね。その結果、利益が多く上がっており、その分の税金まで払っている始末です。
なので、いざ会員さんから返金をお願いされると、過去に払った税金分などは会社が負担して払い戻さなければなりません。もちろん税金が戻ってくることなどありません。お金を払って借金して税金まで払ってる状態。なんでこんなバカバカしい会計基準にしてるのでしょうか。全く意味がわかりません。
きっと、売上規模を大きく見せて、広告会社の審査とか、銀行の借入とかをスムーズにするためなのでしょうね。消費者の方への不利益が最小限になることを祈っています。
上記はあくまで僕の想像なので、間違ってる所はあるとおもいますが、それにしても杜撰です。経営者の方は高額な報酬をもらって競走馬まで買ってたらしいです。自業自得ではありますが、私的整理に入るということはケツの毛までむしられるのでしょうね。脱毛サロンだけに。。。
※訂正:チケットの返金期限は「最後の施術から2年間」でした。