今回も図解はありません。
ドリームジャンボのCMが公開されています。今回は綾野剛さん扮する地球防衛団がロボットを買う、という話です。
とうとう完成した『ジャンボリオン』。地球防衛の要となるかもしれないそのロボットを綾野剛さんがさっそく駆けつけるのですが、そこで開発者である博士から伝えられたのが、その価格。「7億円」という価格に、綾野剛さんは呆然としてしまう、という話です。
果たして、このサイズのロボットが7億で作れるのでしょうか?開発者の『博士』は含み笑いをしていますから、相当な利幅をとっているものと思われます。半分だとして、開発費は3.5億円。これで何が作れるのか考えてみたいと思います。
7億でロボが作れるのか?
開発費を計算するにはまず、大きさ、重さを推定してみる必要があります。
ちょっと遠近感がわかりにくいところがありますが、人の身長から類推すると、ちょうど、パトレイバーのAV-98 イングラムと同じぐらいではないでしょうか?
gigazineより
これと同じサイズだとすると、高さ8メートルというところのようです。
飛べるのか?
地球防衛団が地球を守るために作るわけですから、飛んで欲しいところです。
実際、オーダーメイドで飛ぶものを作ったらいくらになるのか?
こちらはホンダさんがゼロから作られたホンダジェットです。
価格は4億5千万ですが、開発費は200-300億ぐらい、ということのようで、この金額感だと、3.5億で飛ぶロボットを作るのは難しそうです。
戦えるのか?
防衛のために戦う武器、としての性能はどうでしょうか?ということで、戦う乗物の代表、戦車と比較。
自衛隊の誇る主力戦車、10式です。
こちらの開発費が484億、1両あたりの価格は9.5億円、ということで、7億では戦車並みの機能をもたせるのは難しそう。
素材は何で出来ているか?
戦車並みの装甲は無理として、実際の外装素材は何でできているのでしょうか?軽くて丈夫なFRPを使ってオーダーで作るといくらになるでしょうか。
湯船に入った時の広さを最大限にした特注デザイン浴槽ユニット:D-STYLE施工実績14
こちら、ダイワ化成さんのオリジナル浴槽ですが、浴室のパネルなんかも込で520万とのこと。ロボットのサイズからいって、これの20倍ぐらいの分量は必要そうなので、それだけで1億です。素材にFRPを使うのは難しそうです。
重たい素材だとそれを支える構造も必要になってくるので、現実的には、プラスチックや、ポリカーボネイトなんかが候補になってくるんじゃないかと思います。
ポリカーボネイトは、あれですね。倉庫の屋根とかでよく見かける波波のやつです。
放水機能とかつけられないか?
本格的な武装は無理だとしても、放水銃ぐらいならつけられないでしょうか?
トーハツさんの最新型消防ポンプ、納入価格は140万ぐらいのよう。これにホースやガン、水タンクを追加しても200万ぐらいで済みそう。これを両腕につけたり、とかならできそうな気がします。
放水銃を付けるならどこ?
武装なので、やはり両腕に付けたいところですが、腕が大きく重くなると、それを動作させるためのアクチュエーターもやはり巨大化し、支える仕組み自体がポンプの何倍ものコストになります。取り付けるなら、中心部に近く、動きの少ない所。例えば股間などでしょうか。
この股間に、放水銃がつく。なお、両脇のロケットエンジンみたいなのは飾りで、空は飛べません。
全体的なバランスとしては足首が細すぎるのが気になります。相当な重量(イングラムとおなじなら6トンとか)をこの細さで支え、かつ二足歩行させるような素材がいま地球上にあるのかどうか謎です。
四輪走行なら出来るのではないか?
すねの細い部分を解消し、さらに大きな躯体を安定させるためにはどうしたら良いでしょうか?二足歩行を諦めて、四足にして、四輪走行にしたら行けそうな気がします。
ちょうどいいのがあります。水道橋重工業のクラタスです。
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かっちょいいですね。これで1億2千万円です。全高が3.8メートル、重さ4.5トン。これを倍にサイズアップしたら、『ジャンボリオン』に近づきそうです。
と、いうことで、まとめるとこんな感じ
- 飛ばない
- 戦車並みの武装は無理
- ガワはポリカーボネート
- 股間に放水銃
- 二足歩行も難しい
- 四輪走行なら出来そう
7億円で綾野さんが買える『ジャンボリオン』はこんな感じの仕様になりそうです。
機動隊の放水車が3,000万ぐらいらしいので、それを20台ぐらい買うほうが良さそうな気もしますが、ロボットのほうがかっこいいし、いいんじゃないでしょうか。僕は好きです。