信用毀損とは
前々回、僕が物件を買ったことが買いました。そこから得られる収益は概算で150万/円程。一方、目標の金額は300万円/年なので、まだ足りません。単純に考えれば、同じような物件をもう一つ買えばいい、ということになりますが、そういうわけにいきません。『信用毀損』というのが起こっているのです。
今回、1,120万の物件を買うにあたって、自己資金は20万円+諸経費として、1,100万円を融資に頼りました。しかし、この物件の実際の固定資産税評価額は約600万円です。従って、仮に銀行の担保評価額がそのぐらいだとすると、B/S上は500万円の債務超過になっています。このことを『信用毀損』といいます。早く返済してこの状態を改善しないと、次の物件に移ることができません。
なんでこんなことが起こるのか、というと、土地の値段は「実勢価格」「公示地価」「路線価」「基準地価」「固定資産税評価額」など、様々な値段の付け方があるからです。国税庁や銀行が評価する額と実際の売買価格は異なることが普通です。ちなみに、年に1回発表されて、銀座の鳩居堂が1位、みたいに言われるのは路線価です。僕が実際に出費した金額と、銀行が見る担保価値には差があるため、こういう信用毀損が発生します。(ちなみに、銀行がみる担保価値は銀行によって異なります。)
なんでローンするのか。
じゃあ、ローンを組まなければいいのではないか?もしくは借入金額をもっと小さくすればいいのではないか?という考え方もあります。それはもちろんです。ただ、ローンにするといいこともあります。
現金で買うと、そのままの利回りですが、ローンを使って実際の出費を小さくすることで、返済を考えても、198万÷20万=990%もの利回りになるのです。てこの原理で小さなお金で大きな金額を動かすことから、レバレッジ(英語で「てこ」はレバー)と言われます。図はもちろん表面利回りです。実際には空室だったり、修繕だったり、管理費だったりがあるので、これよりも得られる収益は低いです。 しかし、だからこそ、てこの原理が重要になってきます。ローンをするとリスクが高くなるように感じますが、実際にはリスクをコントロールしながら収益性を改善するために融資を利用するのが普通です。
新築マンションの場合
ちなみに、評価額は土地が広いほど高くなりやすい傾向にあります。理由としては、建物は築年数が経つほどに評価額が下がりますが、土地にはそういうことはないからです。新築の分譲マンションなどは、敷地をマンションの戸数で割った分しか土地がないので、評価額がでにくいです。
この図はあくまでイメージなのですべての新築分譲マンションがこうだ、というわけではないです。新築マンションを買うと、なんとなく資産が増えた気がしますが、実際には大きく信用が毀損している状態だったりします。これを理解した上で、物件を買うことを考えなければなりません。別に新築買ってはいけない、という話ではないです。むしろ大きな債務超過でも貸してもらえるというのは、買える人の信用力を銀行から認められている、という証です。また、新築なら賃貸にした時にも入居決まりやすいし賃料も高く設定できるので有利です。信用力のある人がそれを活かして買うのはぜんぜんいいと思います。
さて、冒頭の、僕の目標を達成することについて。今回と同じような物件を買うと信用毀損が大きくなってしまうので、難しいです。次狙っていくのは、土地が広くて積算価格の出やすい物件かなあと思っています。